2014年 06月 07日
白馬村に青鬼(「アオニ」と呼びます)という名前の集落があります。江戸時代ごろからの古い茅葺屋根の民家がまとまって残り、重要伝統的建造物群保存地区に指定されています。白馬村の中心から北東の方向に5キロぐらいでしょうか。案内の看板はあるのですがなかなかわかりにくい場所で、たどり着くのが簡単ではありません。7年前にこの集落に行きたくて車でウロウロしたのですが、結局行きつかずに別の集落に行ってしまった経験があります。今回もナビがなければ行きつかなかったかもしれません。 その青鬼集落に行ってきました。前日トラブルのため白馬でのサイクリングができなかった私たちは、翌日今度は自転車を借りてでもサイクリングをしたいと思い、宿泊地の軽井沢から再度白馬村を目指しました。しかし、当日は雨、とても自転車で動ける状態ではありません。やむなく、サイクリングはあきらめ、目的を青鬼集落探索に切り替えることになりました。 現在青鬼集落には14戸の茅葺民家(今は屋根は鉄板で覆われています)があります。1軒だけ今風の建物があるのですが、これだけ伝統的な建物が密集している地区は珍しいと思います。地区の人たちの努力に頭が下がります。 集落の代表的な景観、よく青鬼集落を紹介する際に用いられるアングルです。 手前右側の建物は「お善鬼の館」といって、この集落の交流館・案内書といった役割を果たしています。建物の大きさがよくわかると思います。建物の名前は「お善鬼様」伝説からとったものでしょう。関心のある方はこちらを参照ください。 屋根の大きさがとても印象的です。 青鬼集落の奥には棚田が広がっています。ちょうど田植えが終わった時期で、水を張った田んぼに苗がきれいに並んでいました。晴れていればこの遠く先に白馬の山並みが見えるはずですが、この日は残念ながら見ることができませんでした。 棚田は石垣で支えられています。高いものは人の背丈をはるかに超えています。この棚田を作るのにどれほどの苦労があったかを思うと、感動してしまいます。 石垣の上には石仏が置かれていました。私も手を合わせてきました。 集落を見渡す高台にある「青鬼神社」の階段です。集落の守り神でしょう。この石段、何段あるのかな。昇るにはちょっと決意が必要です。 段数は数えませんでしたが、お年寄りには大変だと思います。でも、集落の皆さんは当たり前のように上り下りしているんでしょうね。階段の上には立派な社がありました。 青鬼集落には石仏群が2か所あります。 こちらは集落の南側前方に位置する「向麻石仏群」。水田を挟んですぐ向こう側に集落が見えます。 もう一つの石仏群は集落の入り口のすぐ後ろ側、少し高台になったところにあります。こちらは「阿弥陀堂石仏群」と言われています。地形に沿って半円形に置かれています。 青鬼集落を訪れるという7年前の思いをやっと果たすことができました。雨でサイクリングができなかったため、ゆっくりと時間をかけて歩くことができました。雨の恩恵です。 青鬼集落は建物だけではなく、生活を支える水田、神社や石仏などから成り立っていました。生きた集落として存在していた、そんな印象を受けました。そこが古い建物を記念碑的に残したところとの違いです。行ってみて初めてわかることです。 今度は雪に覆われた白馬三山を背景に見てみたいですね。自転車のリベンジもしなくてはならないし、白馬にはまた来る機会があるでしょう。楽しみにしています。
by sanpo-sanpo
| 2014-06-07 18:00
| 山歩き・里歩き
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